結腸皮膚瘻をきたしたS状結腸憩室炎の1例

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  • A CASE OF SIGMOIDCUTANEOUS FISTULA DUE TO DIVERTICULITIS

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抄録

患者は68歳の男性で, 胃癌精査中にS状結腸憩室炎をきたし保存的に治療した. 憩室炎は改善し, 胃癌に対し幽門側胃切除術を行った. 術中所見では下腹部正中にS状結腸が強く癒着していたがあきらかな膿瘍形成は認めなかった. 胃切除後の経過は順調で術後7日目にガストログラフィンによる注腸造影を施行し, 狭窄, 瘻孔を認めなかった. 術後13日目に軽快退院したが, 退院3週間後より下腹部の疼痛を認めた. 炎症反応が高値であったことから抗菌剤で経過観察したが, 下腹部正中の皮膚発赤を認めるようになり, 再入院の上切開排膿した. 排膿後, 創は瘻孔化し洗浄を行ったが保存的に閉鎖は困難であった. 瘻孔を含めS状結腸切除を施行した. 術後経過は良好で, 術後10日目に軽快退院した. S状結腸憩室炎が前腹壁へ瘻孔を形成することは非常に稀であるが, 保存的瘻孔閉鎖は困難で, 手術による切除が有効であると考えられた.

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