転移性痔瘻癌の1例

  • 野尻 和典
    横浜市立大学市民総合医療センター消化器病センター
  • 池 秀之
    横浜市立大学市民総合医療センター消化器病センター
  • 齊藤 修治
    横浜市立大学市民総合医療センター消化器病センター
  • 今田 敏夫
    横浜市立大学市民総合医療センター消化器病センター
  • 山腰 英紀
    港北肛門クリニック
  • 嶋田 紘
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF METASTATIC CARCINOMA AT ANAL FISTULA

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抄録

症例は63歳の男性. 25年来の痔瘻を有し, 2004年6月痔瘻根治術目的に近医受診. 術前の大腸内視鏡検査で下行結腸, S状結腸, 直腸に腫瘍を認め生検の結果中分化腺癌と判明. 同年8月3日結腸左半切除, 直腸部分切除術を施行した. 術後外来経過観察中肛門部の硬結が増大したため痔瘻部の穿刺吸引細胞診を施行したところadenocarcinoma group Vと診断された. 手術は画像上明らかな側方・鼠径リンパ節転移を認めなかったことおよび患者が直腸切断術を拒否したため, 肛門部腫瘍の局所切除術を施行した. 病理組織学的には中分化腺癌であり結腸癌の管腔内転移による転移性痔瘻癌と診断した. 大腸癌患者に痔瘻を有する場合には, 転移性痔瘻癌の発生も考慮に入れた経過観察が必要である.

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被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (29)*注記

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