門脈内腫瘍栓を伴う混合型肝癌の1切除例

  • 太田 英夫
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 永野 浩昭
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 梅下 浩司
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 若狭 研一
    大阪市立大学大学院医学研究科診断病理学
  • 門田 守人
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学

書誌事項

タイトル別名
  • COMBINED HEPATOCELLULAR CARCINOMA AND CHOLANGIOCARCINOMA WITH PORTAL VEIN THROMBOSIS-A CASE REPORT-

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抄録

症例は52歳, 男性. 1999年2月, 門脈内腫瘍栓を伴う進行肝癌に対し, 肝前区域切除, S4, S7部分切除術, 門脈内腫瘍栓摘出および肝動脈内挿管術を施行した. 術後組織学的診断は, 混合型肝癌 (Combined hepatocellular and cholangiocarcinoma) で, vp4, b1, im1, t4, n0, m0, stage IV-Aであった. インターフェロン受容体 (IFN-R) の発現は, 肝細胞癌成分で陽性, 胆管細胞癌で陰性であった. 術後2カ月目よりIFN併用動注化学療法を施行したが, 術後8カ月目にCA19-9の再上昇と腹部CTより, 残肝多発再発が指摘されたため, 再発巣に対し, IFN併用化学療法から, 三剤併用の動注化学療法に変更したところ, PIVKA-IIの上昇も認め, 最終的に癌死した. 本症例の術後経過と病理像より, IFN併用化学療法の治療効果とIFN-Rの発現との相関に関する興味深い知見を得た.

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参考文献 (20)*注記

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