全国47都道府県における高齢者の要介護未認定期間と標準化死亡比

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タイトル別名
  • HEALTHY LIFE EXPECTANCY AND THE STANDARDIZED MORTALITY RATIO FOR THE ELDERLY IN JAPAN'S 47 PREFECTURES
  • ゼンコク 47 トドウフケン ニ オケル コウレイシャ ノ ヨウ カイゴ ミニンテイ キカン ト ヒョウジュンカ シボウヒ

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抄録

目的 死亡数および介護保険における要介護等認定者数を基に,全国47都道府県における65歳の平均余命および要介護未認定期間を算出し,65歳以上の標準化死亡比(以下,SMR)等との関係を分析する。<br/>方法 平均余命は Chiang 法により,要介護未認定期間は Sullivan 法により算出し,平均余命−要介護未認定期間=要介護期間とした。SMR は,全国を 1 として算出した。各指標間の関係については,Spearman の順位相関係数を算出して分析した。<br/>結果 (1)2004年における全国47都道府県の65歳要介護未認定期間は,男では,最長が長野県の16.72年,最短が青森県の14.32年であり,女では,最長が山梨県の19.18年,最短が大阪府の16.47年だった。<br/> (2)要介護未認定期間に関しては,男女とも,平均余命と正に相関し,要介護期間と SMR と負に相関した。平均余命に関しては,男女とも,SMR と負に相関し,女では,その他,要介護期間と正に相関した。<br/>結論 (1)2004年における全国47都道府県の65歳要介護未認定期間は,男では,長野県が最長,青森県が最短であり,女では,山梨県が最長,大阪府が最短だった。<br/> (2)男女とも,要介護未認定期間が平均余命と正に,SMR と負に相関したことは,要介護未認定期間の延伸にとって,死亡率の低下が重要と考えられる。また,男女とも,要介護未認定期間が要介護期間と負に相関したことは,要介護未認定期間の延伸にとって,要介護有病率の低下が重要と考えられる。さらに,女では,平均余命が要介護期間と正に相関したことは,平均余命が長いと要介護期間も長いと考えられる。これは,女では,要介護の原因が脳卒中のような致死的な疾患だけでなく,痴呆や骨関節疾患などの非致死的な疾患も多いためであろう。

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参考文献 (14)*注記

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