腹膜播種を伴った胃癌に対するTS-1療法の治療成績

  • 竹村 雅至
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科学
  • 大杉 治司
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科学
  • 李 栄柱
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科学
  • 西川 隆之
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科学
  • 福原 研一朗
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科学
  • 岩崎 洋
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Outcome of TS-1 Administration for Advanced Gastric Cancer with Peritoneal Dissemination

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抄録

腹膜播種陽性胃癌に対しては, これまで様々な治療法が試みられてきたが, その治療成績は不良で予後は悪い。しかし, 最近になり胃癌に対して新規抗癌剤であるTS-1やタキサン系が投与可能となり, その治療成績の向上がみられる。われわれの施設で経験した36例の腹膜播種陽性胃癌に対してTS-1を投与したところ有害事象は軽度で外来での加療が可能であった。経口摂取不能例にはRoux-Y型の胃空腸吻合を行い, 経口路を確保している。2年生存例は1例のみで, 1年生存率は45.4%で, 2年生存率は5%であった。胃切除の有無・主病巣の分化度では生存率に差がなかった。腹膜播種陽性胃癌に対するTS-1療法は有害事象も軽度で有用な治療法であるが, さらなる治療成績の向上のためには併用薬や腹腔内化学療法などの確立が望まれる。

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参考文献 (15)*注記

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