93歳女性に発症し, 急激な経過を呈した門脈ガス血症の 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Acutely Progressive Portal Venous Gas in a 93 year-old Woman

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抄録

症例は35歳時の子宮筋腫での開腹術と85歳時の術後イレウスでの開腹の既往を有する93歳, 女性。今回腹部膨満と腹痛を主訴に搬送された。腹部所見および腹部CT検査にて, 術後の単純性イレウスと診断し, イレウスチューブによる減圧治療を開始した。しかし数時間後にイレウスチューブを自己抜去した後, 意識障害が出現し血圧低下とともにショック状態に至った。その際, 腹満が増強したため, 腹部の緊急CT検査を施行した結果, 入院時の腹部CT検査では認めなかったガス像が, 肝内門脈のほぼ全域と肝外門脈系, 肝皮膜下, 大循環系にまで認められ, 腹腔内にはfree airとともに出血と考えられる腹水を認めた。その後, 全身状態は急激に悪化し, 救急蘇生を行ったが, 入院から約13時間後に死亡した。病理解剖を行えなかったため, 原疾患は明らかでないが, 急激な経過を呈した比較的稀な門脈ガス血症を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する。

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参考文献 (11)*注記

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