腹腔鏡下で胆嚢摘出術を施行した胆嚢捻転症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Torsion of the Gallbladder Treated by Laparoscopic Cholecystectomy

この論文をさがす

抄録

症例は81歳の女性で, 心窩部痛を主訴として来院した。入院時, 心窩部に圧痛を認めた。また白血球数やCRPは著しく上昇し, 腹部DIC-CT検査では胆嚢は緊満し, 壁は著明に肥厚していた。また胆嚢管は一部が造影されたが, 胆嚢は造影されなかった。以上の所見から急性胆嚢炎と術前診断し, 来院3時間後に腹腔鏡下に手術を施行した。腹腔内を観察すると, 胆嚢は暗赤色を呈して著明に腫大していた。また胆嚢床付着部は僅かで, 胆嚢頸部で約270度捻転していた。胆嚢の捻転を整復した後, 胆嚢を摘出した。病理組織検査では, 胆嚢壁は全層にわたり出血性壊死を呈していた。術後経過は良好で, 術後9日目に退院した。胆嚢捻転症の術前診断はいまだ困難であるが, 確定診断から治療まで連続して行える腹腔鏡下手術は大変有用であった。また胆嚢捻転症では周囲との癒着はなく肝臓から遊離しているため, 腹腔鏡下胆嚢摘出術のよい適応と考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ