柔軟な絹フィブロインフィルムの開発

  • 河原 豊
    群馬大学工学部生物化学工学科
  • 古川 敬子
    京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科
  • 山本 岳志
    京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科
  • 益田 美和
    国立循環器病センター研究所先進医工学センター
  • 古薗 勉
    国立循環器病センター研究所先進医工学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Soft Silk Fibroin Film
  • 柔軟な絹フィブロインフイルムの開発
  • ジュウナンナ キヌ フィブロイン フイルム ノ カイハツ

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抄録

CaCl2/CH3CH2OH/H2O(モル比1/2/8)の溶媒系を用いて絹フィブロインを溶解してキャストフィルムを作製した.キャストフィルムの乾燥温度によって高次構造に影響が認められ,4℃ではアモルファスとなり,10~50℃ではSilk I型結晶を,60℃以上ではSilk II型結晶を生じた.また,アモルファスフィルムを20℃の水蒸気に暴露するとSilk I型結晶が生成した.グリセリン処理はSilk I型結晶からSilk II型結晶への転移を促進した.この処理の過程でフィルムの自己伸長挙動が認められ,伸びは最大で30%以上に達した.この様な大きな自己伸長を伴って結晶転移したフィルムは柔軟性を示した.さらに,今回得られたフィルム溶出液を含むMEMAM培地でL929細胞の増殖を調べたが,増殖は妨げられなかった.

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参考文献 (8)*注記

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