オフィスサージャリーの適応と限界

  • 星野 知之
    浜松医科大学浜松耳鼻咽喉科サージセンター

書誌事項

タイトル別名
  • 第107回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム オフィスサージャリーの適応と限界 耳のオフィスサージャリー--適応と限界
  • ダイ107カイ ニホン ジビ インコウカ ガッカイ ソウカイ シンポジウム オフィスサージャリー ノ テキオウ ト ゲンカイ ミミ ノ オフィスサージャリー テキオウ ト ゲンカイ
  • [Indication and limitation of office surgery: Office surgery of the ear--indication and limitation].

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抄録

耳のオフィスサージャリーと考えられるものは,一般外来診療の合間に行われるもので,切開術,肉芽の除去,穿刺,穿刺•縫合固定,組織生検,鼓膜換気チューブ留置術などが挙げられる.将来行われるようになると予想されるものには,内視鏡を使っての中耳腔内の処置や手術などがあるが,現在ではなお一般的ではない.<br>これらの手術を安全に行うためには,解剖を熟知しておくこと,鑑別疾患をふくめて病態を術前に診断しておくことが重要である.また切除した組織や生検の材料をどの検査にまわすか,これも手術の重要な部分である.病理検査なら何を疑うかを記入することで,特殊染色の種類が決まってくるし,同時に細菌検査や真菌の検査が必要かどうかも決める必要がある.<br>オフィスサージャリーは大部分を局所麻酔で行うが,肉芽の鉗除や切除では表面麻酔で十分である.切開ではイオントフォレーゼによる麻酔,穿刺•固定では局所注射による浸潤麻酔が必要となる.耳の領域では大きな出血を起こす疾患はきわめて少なく術後はアドレナリンや過酸化水素水の塗布,圧迫で大部分が止血できるが,出血を短時間でコントロールでき,大きな出血にも対処できるバイポーラ凝固装置があればなお望ましい.<br>耳介の手術は肉眼で行うことになるが,外耳道や鼓膜,術後創の手術や処置は顕微鏡下に行うと良く見えて安全である.術前に十分に説明し言葉をかけながら操作をすすめると,受ける側の協力が得られ,体の動きが減りより安全に行える.

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