腸閉塞を発症した回腸子宮内膜症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Endometriosis of the Ileum Presenting with Intestinal Obstruction

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抄録

患者は38歳・女性. 腹痛にて緊急入院となった. 腸閉塞と診断しイレウス管を挿入するも, 腹部症状は悪化し, 入院後第5病日に緊急手術を施行した. 回盲部は炎症で一塊となり, 回腸を含めた広範な回盲部切除を行った. 病理組織学的所見にて腸管子宮内膜症と診断した. 術後経過良好で第19病日に退院した. 退院後, 月経時の下血のため, 大腸内視鏡を施行し, S状結腸部に狭窄を認めた. 現在同部位の子宮内膜症に対し, ホルモン療法を施行中である. 腸管子宮内膜症は, 子宮内膜組織の異所性増殖を示す. 腸閉塞をきたした回腸子宮内膜症は自験例を含め38例の報告のみである. 腸管子宮内膜症は画像診断で特徴的な所見が得られず術前診断は困難である. 術前診断が困難である女性の腸閉塞症例では腸管子宮内膜症も念頭におく必要がある.

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