全身性エリテマトーデスに肥厚性硬膜炎を合併し,低髄圧症候群様の頭痛・難聴を呈した1例

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  • A case report of hypertrophic pachymeningitis associated with systemic lupus erythematosus, showing a headache and hearing loss resembling intracranial hypotension

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抄録

  全身性エリテマトーデス(SLE)の経過中に発熱・嘔吐・下痢と共に激しい頭痛を生じ,MRIにて肥厚性硬膜炎と診断された1例を経験したので報告する.症例は34歳女性,1985年にSLEと診断された.2002年8月に発熱・頭痛が出現し緊急入院.頭部挙上にて増悪する激しい頭痛および難聴をみとめた.検査所見にて抗ds-DNA抗体上昇,血小板減少,またMRI上硬膜の肥厚をみとめたためSLEに伴う肥厚性硬膜炎と診断した.副腎皮質ステロイド薬によるパルス療法とその後の副腎皮質ステロイド薬大量投与により臨床症状,検査所見共に軽快した.本症例は起立時に頭痛・難聴が増悪する所見があり,臨床症状において低髄圧症候群との鑑別を要した.SLEに肥厚性硬膜炎を合併する症例は稀であり,興味深い1例と考えられた.<br>

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