小児急性リンパ性白血病治療における中枢神経系合併症:JACLS ALL-02研究

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タイトル別名
  • Complications in the central nervous system during chemotherapy for childhood acute lymphoblastic leukemia: JACLS ALL-02 study
  • 臨床研究 小児急性リンパ性白血病治療における中枢神経系合併症--JACLS ALL-02研究
  • リンショウ ケンキュウ ショウニ キュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ チリョウ ニ オケル チュウスウ シンケイケイ ガッペイショウ JACLS ALL 02 ケンキュウ

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抄録

2002年4月から2005年3月の間にJACLS ALL-02プロトコールを施行した急性リンパ性白血病症例における中枢神経系(CNS)合併症について検討した。登録症例541例のうち,有害事象報告されたGrade 3または4のCNS合併症は15例で,10歳以上の症例が7例を占めていた。15例に17回のCNS合併症の報告があり,その内訳は有症状白質脳症5例,けいれん5例,脳血管障害3例,意識障害2例,高血圧性脳症,reversible posterior leukoencephalopathy syndrome (RPLS)各1例であった。CNS合併症はinducton therapy中と早期治療相の最後に集中して認められた。発症後大半の症例で治療の一部を変更または中止することで14例では神経学的および画像所見は改善し,初回寛解を維持している。白質脳症の1例のみが画像所見が残存し,CNS単独再発を来した。今後は非照射治療でのCNS合併症の発症リスク因子の検討や発症後の明確な治療指針の設定が必要と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 48 (3), 204-211, 2007

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (19)*注記

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