整形外科術後に発症した偽膜性腸炎

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  • Pseudomenbranous Colitis after Orthopedic Surgery

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抄録

感染予防または治療のために抗菌薬投与を行った結果,菌交代現象が生じ腸炎を発症することが知られている.特に偽膜性腸炎は Clostridium difficile が産生する毒素により発症し,しばしば重篤化する.今回,我々は1996年から2006年までに術後に偽膜性腸炎を14症例経験した.平均年齢は64.4歳であった.院内感染を疑わせる症例はなかった.診断は CD 毒素検査,大腸内視鏡検査にて行った.治療は大部分の症例で原因抗菌薬の中止,絶飲食,VCM 内服とした.1ヶ月以上の加療を要したものが5症例で,1症例において中毒性巨大結腸症,麻痺性イレウスを併発し死亡に至った.術後に炎症反応の増悪,発熱が見られた場合には,抗菌薬が原因や増悪因子となる偽膜性腸炎の可能性を考慮し,早期発見に努め,漫然と抗菌薬投与を行うことがないように注意しなければならない.

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