エリテマトーデスと鑑別を要したクリオグロブリン陽性,慢性C型肝炎の1例

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タイトル別名
  • A Case with Cryoglobulin-positive Chronic Hepatitis C and Erythematosus-like Eruptions.

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抄録

72歳,女性。26歳時,肺結核のため手術をうけ,輸血歴がある。40歳頃から慢性C型肝炎を指摘され加療中である。初診の約1ヵ月前,額部,両頬部にびまん性の紅斑が,両手背,前腕に痒みを伴う紅色小局面が出現した。さらに寒冷曝露後,四肢に網状皮斑,紫斑が出現した。クリオグロブリン陽性で,type IIIクリオグロブリンと同定した。前腕の皮疹の病理組織像は,苔癬型の組織反応であった。蝶形紅斑とは異なるが,エリテマトーデスを疑わせる臨床像,病理組織像であった。しかし,抗核抗体は陰性であり,慢性C型肝炎に対する加療の継続により顔面の紅斑,手背から前腕の紅色局面,四肢の網状皮斑,紫斑が軽快したことから,自験例を慢性C型肝炎に伴う扁平苔癬ならびに混合型クリオグロブリン血症による網状皮斑および紫斑と診断した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 64 (4), 419-422, 2002

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (21)*注記

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