米国における1994年の狂犬病調査 (その1)

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  • ベイコク ニ オケル 1994ネン ノ キョウケンビョウ チョウサ ソノ 1

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抄録

1994年に, 48州, コロンビア特別区および自治領プエルトリコから, 疾病予防センター (CDC) に対し, 動物の狂犬病症例8, 224件, 人間の狂犬病症例6件の報告がなされた.全症例のうち, 93%近く (7, 632件) が野生動物で, 7%(592件) が家畜の症例であった.報告された症例の総数は, 1993年の9, 498件から134%減少した.この減少は大部分, アライグマの狂犬病症例が19.2%減少したことによる.狂犬病ウイルスのアライグマ変異株に関して, 従来から指摘されてきた2種の狂犬病の動物間流行は, ノースカロライナ州で集中的に発生し, 現在では南はアラバマ州やフロリダ州, 北はメイン州へと発生が広がっている.テキサス州中西部のキツネ, テキサス州南部の犬とコヨーテに見られる狂犬病の動物間流行は拡大を続けており, テキサス州では1994年にキツネ144件, 犬53件, その他野生動物では85件中コヨーテ77件が報告された.メイン州とニューハンプシャー州では, 10年ぶりにキツネの狂犬病の症例が報告されている (それぞれ6件, 9件).また, 全米にわたって, 犬の狂犬病の症例 (153件) が17.7%増大しており, 牛 (111件) と猫 (267件) の症例はそれぞれ14.6%, 8.3%減少している.猫は家畜の中では引き続き狂犬病症例の報告が最も多い動物であった.28州とコロンビア特別区では1994年に狂犬病の減少が報告された.1993年に減少が報告されていたのは, 22州, コロンビア特別区および自治領プエルトリコであった.1994年に狂犬病の症例報告がなかったのはハワイ州とネブラスカ州だけである.

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