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- 大野 喜美子
- 新美術協会
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抄録
造形活動による児童の心の発達促進という視点から, 小学校児童243名に「家族に対する自由イメージ描画」「自分に対する自由イメージ描画」の実践をした結果を報告する。「家族イメージ」が攻撃的, 自己否定的なものは, 保護者の放任, 過度の進学熱, 欲求不満, 父母の離婚を経験している。明るいものは安定した家庭である。「自己イメージ」も攻撃的, 自己否定的なものは保護者の放任, 過度の進学熱, 学校不適応, 母親の超多忙などの児童である。幸福感に満ちているものは進学塾などの時間に追われることなく, 自分のペースで生きている。「自由画に表現できない児童」もいるが, かれらは背後に大きな問題を抱えている。年々, 攻撃的, 暴力的, 自己否定的なものや, 表現できない児童が増加している。これらは児童を取りまく環境の変化に影響されている。特に過度の学歴偏重, 女性の社会進出に対する支援態勢の無さによる児童へのしわ寄せがある。
収録刊行物
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- こころの健康
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こころの健康 14 (2), 14-24, 1999
日本精神衛生学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204317713024
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- NII論文ID
- 10018959810
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- NII書誌ID
- AN10174967
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- ISSN
- 21860246
- 09126945
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可