Atypical Fibroxanthomaの1例

  • 安松 知子
    大分大学医学部生体分子構造機能制御講座 (皮膚科)
  • 竹内 善治
    大分大学医学部生体分子構造機能制御講座 (皮膚科)
  • 浅田 裕司
    大分大学医学部生体分子構造機能制御講座 (皮膚科)
  • 園田 忠重
    大分大学医学部生体分子構造機能制御講座 (皮膚科)
  • 藤原 作平
    大分大学医学部生体分子構造機能制御講座 (皮膚科)

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Atypical Fibroxanthoma

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抄録

84歳, 女性。2000年9月頃から右頬部に米粒大無自覚性皮疹が出現。約1年後, 発赤・増大傾向を認め, 近医での生検にてatypical fibroxanthomaが疑われ, 当科紹介受診。右頬部に境界明瞭で下床との可動性良好な16 × 15 × 8mmのドーム状に隆起した弾性硬の暗赤褐色腫瘤を認めた。局所麻酔下にて, 腫瘍の辺縁より3 mm離して, 下床は眼輪筋を一部含めて切除した。病理組織学的には, 表皮とは連続性が無く真皮全層から皮下組織にまで腫瘍細胞の増生を認めた。正常部分とはpilosebaceous collaretteで境界されており, 腫瘍を構成する大部分の細胞は紡錐形で束状に錯走し, 一部類円型・淡染性の組織球様細胞, 多核巨細胞も散見され, 核分裂像も認められた。特徴的な臨床像と病理組織像, 即ち上・側方に膨張性に増殖する隆起性腫瘍であり, 紡錐形一部組織球様細胞が真皮に密に増殖していることよりatypical fibroxanthomaと診断した。腫瘍構成細胞について, その性状を明らかにすべくmalignant fibrous histiocytoma (MFH) のマーカーとされているCD68, CD74で染色したがいずれも陽性で, MFHの構成細胞との違いを明らかにすることはできなかった。術後2年経過したが再発を認めず, 本腫瘍は境界が明瞭であり病変部が確実に切除されれば, この程度の切除範囲で良いと考えられた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 66 (4), 353-356, 2004

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (20)*注記

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