非クロストリジウム性ガス壊その1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Non-clostridial Gas Gangrene

この論文をさがす

抄録

89歳,女性。寝たきりの高齢糖尿病患者の仙骨部褥瘡から生じた非クロストリジウム性ガス壊疽の1例を報告した。X線及びCTにて皮下ガス像を認め,同部に握雪感を触知した。切開にてガスとともに強烈な腐敗臭を伴う大量の膿を認めた。膿の培養にてBacteroides distanosis及びBacteroides uniformisが検出された。病理組織学的所見として,真皮から皮下組織にかけてガスの貯留によると思われる多数の大小の裂隙と真皮下層までの広範囲の変性,壊死,さらに小動静脈の血栓形成,血管壁の膨化を認めた。治療としては高齢,コントロール不良の糖尿病,全身状態の悪化などを考慮し,広範囲デブリードマンは施行し得ず,抗生物質の投与,高カロリー輸液,血糖コントロール及び創部の洗浄,消毒,壊死組織の除去を行ったが,患者は入院後23日目に死亡した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 65 (2), 150-154, 2003

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (27)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ