舌神経麻痺を初発症状とし,50個を超える多発リンパ節転移を伴った下顎骨中心性腺様嚢胞癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of central intraosseous adenoid cystic carcinoma of the mandible with paresthesia of the lingual nerve as an incipient symptom and a great number of multiple metastases (over 50) to the cervical lymph nodes

この論文をさがす

抄録

下顎骨中心性癌,とくに下顎骨の腺様嚢胞癌はまれな癌腫である。今回,われわれは舌の神経麻痺を伴った下顎骨中心性腺様嚢胞癌の1例を経験した。<BR>患者は52歳,女性で舌の麻痺と下顎歯肉部に小さなポリープを発症した。他院にて病理組織学的にポリープは腺癌と診断され,加療目的に当科へ紹介された。口腔粘膜はほぼ健常であったが,X線所見で下顎歯槽部に多胞性透過像がみられた。また,上頸部リンパ節は腫脹していた。腺癌の病理診断から全身検索したところ,腫瘍は口腔内と頸部のみに確認され,原発巣と診断した。臨床診断は舌神経への進展と多発リンパ節転移を伴う左下顎骨中心性腺癌であった。左頸部根本的全郭清術,左下顎骨辺縁切除術が施行された。手術時,腫瘍は下顎骨歯槽骨部および下顎神経本管~下歯槽神経,舌神経におよんでいた。病理組織学的診断は下顎骨腺様嚢胞癌,左頸部多発リンパ節転移(pN;53/89)であった。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 33 (1), 1-5, 2007

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (18)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ