腹部臓器損傷を含む多発外傷症例の治療戦略に関する検討

• 阪本 雄一郎

  日本医科大学千葉北総病院救命救急センター

• 益子 邦洋

  日本医科大学千葉北総病院救命救急センター

• 松本 尚

  日本医科大学千葉北総病院救命救急センター

• 原 義明

  日本医科大学千葉北総病院救命救急センター

• 朽方 規喜

  日本医科大学千葉北総病院救命救急センター

• 武井 健吉

  日本医科大学千葉北総病院救命救急センター

• 山本 保博

  日本医科大学救急医学

書誌事項

タイトル別名

• Treatment Strategy for Multiple Trauma Cases with Abdominal Organ Injuries

抄録

本邦の外傷診療システムの遅れが指摘されている。当科では, 救急室での緊急手術や緊急輸血体制などさまざまな対応により重症外傷例に対する診療を行っており, この治療戦略について検討した。 ‹対象と方法› 腹部緊急手術を要し, 他領域にもAIS3以上の重症損傷を合併した20例を対象とし, 救命群, 死亡群およびPs値0.5以上の群, 0.5未満の群に分けて治療開始時間等を比較検討した。 ‹結果› 救命群16例, 死亡群4例で, 救命群中の9例 (56.3%) は, Ps値0.5未満の救命困難症例であり, 死亡群中3例はPs0.5未満の症例であった。また, 両群間に治療開始までの差を認めなかった。Ps0.5未満の群は0.5以上の群と比べ, 有意に治療開始までの時間が早かった。 ‹まとめ› 当科の多発外傷に対する治療成績は, Ps値からみても比較的良好な結果であった。重症外傷の診療には, 救急室や緊急輸血の体制整備が重要と考えられた。

収録刊行物

• 日本腹部救急医学会雑誌

  日本腹部救急医学会雑誌 27 (4), 567-571, 2007

  日本腹部救急医学会

キーワード

• 腹部臓器損傷
• 多発外傷
• 診療体制
• 治療戦略

詳細情報

• CRID: 1390001204734896768
• NII論文ID: 10019484238
• NII書誌ID: AN10426469
• DOI: 10.11231/jaem.27.567
• ISSN: 18824781
• ISSN: 13402242
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2007244937
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可