魚骨による消化管穿孔症例の検討

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  • Fish Bone Perforations of the Gastrointestinal Tract

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抄録

1996年1月より2006年6月までの約10年間に, 当院で経験した魚骨による消化管穿孔例は10例 (男性8例, 女性2例) であった。平均年齢は68.0 (31~86) 歳と高齢者に多く, 穿孔部位では食道が3例, 回腸が5例, S状結腸と直腸が1例ずつであった。病型では急性炎症型が6例, 慢性炎症型が4例であった。魚骨摂取歴は10例中6例で確認でき, 鯛が4例と鮭とヒラスが1例ずつであった。10例中9例がCTにて診断可能であり (症例9の1例のみ術後の見直しにて魚骨が判明した), CTにて描出されなかったのは1例のみであった。内視鏡診断可能であったのは食道穿孔の3例であった。治療は全例で外科手術が施行された。部位別にみると食道穿孔は3例で, 2例は内視鏡摘除後, 縦隔・胸腔ドレナージを施行した。内視鏡下摘出できなかったほかの1例は, 開胸下に縦隔・胸腔ドレナージを施行した。回腸穿孔は5例で, 4例が小腸切除術, 1例が穿孔部閉鎖を施行した。S状結腸穿孔は1例で, 穿孔部閉鎖術, および一時的人工肛門造説術を施行した。最後に直腸穿孔は1例で, 膿瘍ドレナージ術を施行した。予後は1例が他病死したが, ほかは全例生存中である。

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参考文献 (16)*注記

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