超高齢者に発症したBouveret症候群の1例

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  • A Case of Bouveret's Syndrome in a 90-Year-Old Japanese Woman

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抄録

症例は90歳, 女性。繰り返す嘔吐を主訴に来院した。腹部単純X線写真にて右季肋部の石灰化像, pneumobiliaを認めた。腹部CTにて十二指腸球部に嵌頓する結石を認め, Bouveret症候群と診断した。血液検査では異常値を認めなかった。MRCPでは嵌頓結石により総胆管は左側に圧排されていたが, 総胆管結石や胆嚢胆管瘻の所見は認めなかった。心房細動および慢性心不全を合併しており, 術前心臓超音波検査では中等度の大動脈弁および三尖弁閉鎖不全症を認めた。手術は幽門輪前壁を切開後, 嵌頓結石を摘出し, 幽門形成術を行った。経過は良好で術後16日目に退院した。重症の併存疾患を有する高齢者におけるBouveret症候群に対しては, 腸管切開による切石術単独でも有効な治療法であると考えられた。

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