肝動注化学療法後に二次性白血病をきたした下部胆管癌術後多発肝転移の1例

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タイトル別名
  • SECONDARY LEUKEMIA INDUCED BY HEPATIC ARTERIAL INFUSION CHEMOTHERAPY FOR MULTIPLE LIVER METASTASES OF COMMON BILE DUCT CARCINOMA AFTER PYLORUS-PRESERVING PANCREATICODUODENECTOMY-REPORT OF A CASE-

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抄録

下部胆管癌術後多発肝転移再発症例に対して肝動注化学療法を施行しCRを得た後, 二次性白血病を思わせる経過をたどった症例を経験した. 症例は66歳, 男性. 黄疸出現し, ENBDで減黄後, 下部胆管癌の診断で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術 (PPPD-III a) が施行された. 術後6カ月で肝転移再発と診断された. 肝動注化学療法 (MMC16mg, 5FU400mg, Epirubicin48mg/one shot) 3回施行後, CA19-9は正常化, 腹部CTにて肝転移巣消失しCRと判断された. CRのまま19カ月間経過した後, 汎血球減少症にて発症した. 骨髄像にて急性骨髄性白血病と診断され, 5番染色体異常からType Iの二次性白血病と分類された. 造血幹細胞移植の適応なく, 濃厚赤血球, 血小板輸血など対症療法をしていたが, 全身状態悪化し発症後10カ月で永眠された. 消化器癌に対する化学療法後にも遺伝子異常をきたし, 二次性発癌を発症する可能性がある.

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