集学的治療により長期生存中のVirchowリンパ節と肝転移をともなったS状結腸癌の1例

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  • A Long-term Survival Case of Far Advanced Colon Cancer with Virchow Lymph Node and Liver Metastases that Responded to Multidisciplinary Therapy

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抄録

症例は63歳の女性. 左鎖骨上窩の腫瘤を自覚して来院した. 生検で腺癌のリンパ節転移であった. さらに全身を検索するとS状結腸に2型の癌を認め, Virchowリンパ節転移と判明した. さらに肝転移も認めた. 手術はS状結腸切除, D3郭清を行った. 病理組織学的所見は, 中分化腺癌, SS, N2, P0, H1, M1 (Virchowリンパ節No. 216), Stage IVであった. 術後5'-DFUR 600mg/dayの経口投与と週1回のCPT-11 60mgの点滴静注を開始した. 2カ月後にVirchowリンパ節転移とともにCTで肝転移の消失も確認した. しかし, その後, 術後3年11カ月目に左腋窩リンパ節を触知した. 全身精査で他に転移を認めなかったため, 左腋窩腫瘍摘出術を行った. 病理組織学的所見はS状結腸癌のリンパ節転移であった. 現在, 初回手術後5年4カ月経過し再発なく健存中である. 遠隔転移, 肝転移をともなった大腸癌に対して, 積極的な手術と化学療法により長期生存を得ている稀な症例を経験した.

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