帝王切開術中に胃穿孔を認めた進行胃癌の1切除例

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タイトル別名
  • A Case of Perforated Gastric Cancer Associated with Pregnancy that was Recognized at Caesarean Operation.

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抄録

帝王切開術時に胃癌穿孔を認めた症例は, われわれが本邦の文献を検索した限りでは1例も存在しなかった。妊娠晩期の発症であったために早期胎盤剥離と診断され, 帝王切開術中に診断された胃癌穿孔の1例を経験したので, 文献的考察を含め報告する。症例は37歳女性。妊娠38週の1999年5月15日に胎盤早期剥離, 胎児仮死の診断にて当院婦人科で帝王切開術を施行。開腹時に淡黄色の白濁した腹水を認めた。胎児娩出胎盤娩出後に, 腹腔内を検索したところ胃体部前壁に径約2cmの穿孔を認めた。その時点で外科にコンサルトがあった。穿孔部が大きく, 大網充填術は困難と判断し, 幽門側胃切除術, D1郭清, B-1再建術, 腹腔ドレナージ術を施行した。病理組織学的検査で低分化型腺癌を認めた。腹水細胞診は陽性であった。術後経過は順調で, 術後約1ヵ月後に退院した。全身化学療法を施行したが術後約4年2ヵ月後に, 癌性腹膜炎で死亡した。

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参考文献 (16)*注記

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