Box Counting法の拡張による方向別フラクタル次元

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タイトル別名
  • Directional Fractal Dimension by Extended Box Counting Method
  • Box Countingホウ ノ カクチョウ ニ ヨル ホウコウベツ フラクタル ジゲン

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抄録

フラクタル次元は図形の複雑さを表現する尺度とされているが,これは単一のスカラ量であり,二次元形状,三次元物体がもつ多面的な特徴を単独で記述することは難しい.従って,フラクタル次元を利用して不定形画像を解析する場合,従来の定義を拡張し,縮退される幾何学的情報を何らかの形で組み込む必要がある.本稿はこの目的を達するためのもので,方向情報をフラクタル次元に付加した方向別フラクタル次元を提案する.方向別フラクタル次元はBox次元を精密化したものであり,Boxの存在を画素点の置かれた方向(方向余弦)も考慮して計数することで,フラクタル次元が方向余弦の各成分に対応して方向別に分解される.方向別フラクタル次元を画像特徴としたテクスチャ識別実験の結果,従来のフラクタル次元では区別できない画像間の識別に成功し,提案手法による画像記述能力の向上を確認した.さらに,方向別フラクタル次元にマルチフラクタルの理論を導入することで,画像面の一様性の変化を考慮した方向別マルチフラクタル次元を新たに提案する.計算機実験では,方向別マルチフラクタル次元に関しても,その有用性を示す計測結果が得られた.

収録刊行物

  • 画像電子学会誌

    画像電子学会誌 36 (3), 194-203, 2007

    一般社団法人 画像電子学会

参考文献 (23)*注記

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