強皮症に合併した食道扁平上皮癌の1例

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  • A CASE OF ESOPHAGEAL SQUAMOUS CELL CARCINOMA WITH SYSTEMIC SCLEROSIS

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抄録

症例は42歳, 女性. 6年前より強皮症の診断にて近医で通院治療中であった. 検診にて食道癌と喉頭癌を指摘された. まず喉頭癌 (T1, N0, M0) に対し, 放射線治療ならびに化学療法を施行し, CRの効果が得られた. 食道癌は深達度m3で8cmの広範囲に及ぶ病変であり, 手術適応と判断し, 右開胸開腹食道亜全摘術, 胃管再建, 2領域リンパ節郭清を施行した. 病理所見では, Poorly differentiated squamous cell carcinoma, pT1a (pMM), pN0, M0であった. 非癌部食道壁の一部で扁平上皮の被薄化, 固有筋層の線維化を認めたが, 強皮症に典型的な所見は軽度であった. 強皮症と悪性腫瘍の合併の報告は近年増加しており, 食道においては腺癌の合併の報告があるが, 今回, われわれが経験した症例は食道扁平上皮癌であり, 極めて稀な症例と思われた.

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