胃GISTの多発肝転移に対するImatinib mesylate投与後,肝膿瘍を形成し敗血症で死亡した1例

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タイトル別名
  • A PATIENT WITH GASTROINTESTINAL STROMAL TUMOR OF THE STOMACH WITH MULTIPLE HEPATIC METASTASES WHO DIED OF SEPTICEMIA FOLLOWING ABSCESS FORMATION AFTER ADMINISTRATION OF IMATINIB MESYLATE

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抄録

症例は73歳, 男性. 2001年2月26日, 胃GISTおよび直腸癌の診断で, 胃全摘術と低位前方切除術が施行された. 切除標本の病理組織学的検索では胃GIST原発巣は大部分がc-kit (+), CD34 (+) であったが, 腫瘍深部の一部にc-kit (-), CD34 (-) の組織像を認めた. 2003年3月多発肝転移を認め, 9月よりImatinib mesylate (以下グリベック) の内服を開始し肝転移巣の縮小を認めた. 2004年8月の腹部CT検査では肝転移巣の増大と膿瘍形成を認め, 経皮的肝ドレナージを施行した. 血液と膿を混じた排液がみられ, 10月16日敗血症性ショックにて死亡した. 病理解剖では, 肝転移巣には出血壊死を伴い腫瘍細胞増殖をほとんど認めない嚢胞性病変と, 原発巣深部と同様のc-kit (-), CD34 (-) の組織像を認める充実性成分が混在していた. これら陰性の成分はグリベック抵抗性で最後まで残存したと考えられた.

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参考文献 (15)*注記

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