乳癌手術におけるセンチネルリンパ節生検による腋窩リンパ節郭清省略例の遠隔成績

  • 中嶋 啓雄
    京都府立医科大学大学院内分泌・乳腺外科学
  • 藤原 郁也
    京都府立医科大学大学院内分泌・乳腺外科学
  • 水田 成彦
    京都府立医科大学大学院内分泌・乳腺外科学
  • 阪口 晃一
    京都府立医科大学大学院内分泌・乳腺外科学
  • 鉢嶺 泰司
    京都府立医科大学大学院内分泌・乳腺外科学
  • 中務 克彦
    京都府立医科大学大学院内分泌・乳腺外科学
  • 小林 文
    京都府立医科大学大学院内分泌・乳腺外科学

書誌事項

タイトル別名
  • THE LONG-TERM OUTCOMES OF SENTINEL NODE NAVIGATION SURGERY FOR BREAST CANCER

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抄録

乳癌手術で, センチネルリンパ節生検 (SLNB) で転移陰性であれば, 腋窩リンパ節郭清 (ALND) を省略しても腋窩リンパ節再発は増加せず, それに伴う合併症を予防できるとされる. われれは2000年からSLNBに基づいてALND省略を行っており, その成績を報告する. 対象 : 2005年12月までに, SLNBによるALND省略についてインフォームドコンセントが得られた, 原発性乳癌患者403例にSLNBを行った. 結果 : SLNは402例で検出可能で, 検出率は99.8%であった. このうち, 61例 (15.2%) に転移を認めた. 術前腫瘍径別のSLN転移率は, Tis : 4.0% (2/50), T1 : 12.3% (20/162), T2 : 20.5% (39/190) であった. SLN転移陰性の341例にALNDを省略した. 観察期間中央値は33カ月 (12~79カ月) で, 腋窩リンパ節再発が5例 (1.5%) あり, 再発までの中央値は15カ月 (9~31カ月) であった. 術前腫瘍径はT1 : 3例, T2 : 2例であった. 遠隔臓器再発は6例であった. 全例ALNDを追加し, 生存中である. SLNBによる合併症はなかった. SLNBに基づいたALND省略は, 安全かつ有用な方法である.

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参考文献 (44)*注記

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