GPCR研究の新しい流れ  3  グレリンの発見についての裏話

  • 児島 将康
    久留米大学 分子生命科学研究所 遺伝情報研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Personal memoir about the discovery of ghrelin
  • グレリンの発見についての裏話
  • グレリン ノ ハッケン ニ ツイテ ノ ウラバナシ

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抄録

GHS(growth hormone secretagogue,成長ホルモン分泌促進因子)は内因性リガンドが不明のGタンパク共役型受容体,いわゆるオーファン(リガンドが不明なので“みなしご”とよばれる)受容体に作用し,成長ホルモン分泌などの多様な作用を現します.私たちはこのGHS受容体(GHS-R)の内因性リガンドを胃から精製・構造解明し,英語の“grow”に相当するインド・ヨーロッパ基語“ghre”からグレリン“ghrelin”と名付けました.ヒトおよびラットのグレリンは28個のアミノ酸からなるペプチドで,3番目のセリン残基が脂肪酸のオクタン酸によって修飾されており,しかもこの修飾基が活性発現に必要であるという,これまでに知られていなかった構造をしています.グレリンは強力な成長ホルモン分泌促進活性と摂食亢進作用を示す内分泌・エネルギー代謝に関与するホルモンです.<br>

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参考文献 (16)*注記

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