上腕骨解剖頚骨折を伴った肩関節後方脱臼

  • 安藤 卓
    熊本大学大学院医学薬学研究部運動骨格病態学分野
  • 井手 淳二
    熊本大学大学院医学薬学研究部運動骨格病態学分野
  • 時吉 聡介
    熊本大学大学院医学薬学研究部運動骨格病態学分野
  • 廣瀬 隼
    熊本大学大学院医学薬学研究部運動骨格病態学分野
  • 緒方 宏臣
    熊本大学大学院医学薬学研究部運動骨格病態学分野
  • 水田 博志
    熊本大学大学院医学薬学研究部運動骨格病態学分野
  • 本多 一宏
    熊本赤十字病院整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • Posterior Shoulder Dislocation with Humeral Anatomical Neck Fracture

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抄録

まれな上腕骨解剖頚骨折を伴った肩関節後方脱臼例を報告した.症例は21歳の男性であり,主訴は左肩痛,挙上困難であった.ラグビー試合中,タックルを受け転倒し,その上に他の選手が倒れてきて左肩を受傷した.直後より左肩の激痛が出現し当科受診となった.左肩は内転内旋位で上肢をかかえ,運動は困難であった.X線前後像で関節裂隙の消失を認め,腋窩撮影で上腕骨解剖頚骨折と肩関節後方脱臼を認めた.全麻下徒手整復を試みるも整復されず観血整復術を施行した.Delto-pectoral incisionで前方関節包を切開し,エレバトリウムにて上腕骨頭を整復後,K-wireにて経皮的に骨接合術を施行した.外固定を6週間施行し,術後2カ月のX線で骨癒合を認めK-wireを抜去した.術後1年のMRIで上腕骨頭壊死は認めなかった.術後11年のX線で変形性関節症は認めず,JOA scoreは100点であった.

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参考文献 (5)*注記

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