がんの動注・局所治療  膀胱がんに対する抗がん剤およびBCGを用いた膀胱内注入療法

  • 河合 弘二
    筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床医学系泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • Intravesical chemotherapy and immunotherapy for superficial bladder cancer
  • 膀胱がんに対する抗がん剤およびBCGを用いた膀胱内注入療法
  • ボウコウ ガン ニ タイスル コウガンザイ オヨビ BCG オ モチイタ ボウコウナイ チュウニュウ リョウホウ

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抄録

抗がん剤を用いた膀注化学療法と膀注免疫療法はともに表在性膀胱がんの治療体系に組み入れられた標準治療であり,特にBCG(bacillus Calmette-Guerin)菌を用いたBCG膀注療法は現状では最もよく行われ,かつ臨床的有用性の確立したがん免疫療法である.膀注療法の最も一般的な適応は表在性膀胱がんに対する経尿道的切除術後の再発予防である.また,膀注療法は上皮内がんに対する治療としてもその有効性が認識されている.また,これらの膀注療法の最終的な目標は表在性膀胱がんから浸潤性膀胱がんへの進展を予防することにある.<BR>TUR後早期の単回の抗がん剤膀注による膀注化学療法は,低あるいは中間リスク症例に適応され,その有効性が証明されているが,維持療法に関しては評価は一定していない.BCG膀注療法は一般的に膀注化学療法よりも有効であるが,有害事象も多いとされている.しかし,複数のメタアナリシスによる解析ではBCG膀注療法が有意に浸潤性膀胱がんへ進展するリスクを低減しうることが示されている.本稿では,最近のメタアナリシスによる知見も含めて膀胱がんに対する膀注療法の現状について概説したい.

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