迷走神経緊張型発作性心房細動とムスカリン受容体遮断作用を有する抗不整脈薬―心拍変動のスペクトル解析を用いての検討―

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抄録

シベンゾリンは, ムスカリン受容体遮断を介した作用およびIK, AChチャネルを遮断する作用によって抗コリン作用を発揮する.本研究では, 迷走神経緊張型発作性心房細動 (AF) を対象に, 薬物投与前後の心拍変動のスペクトル解析によりシベンゾリンの効果を定量的に評価した, 対象患者25例にシベンゾリン300mg/日を投与したところ, 19例 (76%) でシベンゾリンが有効と判断された.また, スペクトル解析の結果, シベンゾリンが有効であった症例では, 投与前の高周波 (HF) 成分のパワー値が高い傾向がみられ, 投与前後のHFのパワー値の変化量が有意に大きいことが示された.<BR>以上より, HFのパワー値の変化量は, 抗コリン作用を有するI群抗不整脈薬の効果を評価する指標として有用と考えられた.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 27 (6), 645-647, 2007

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (3)*注記

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