炎症性腸疾患診療の進歩と今後の展望

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  • Inflammatory bowel disease: current progress and future aspect

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抄録

いまだ原因不明の炎症性腸疾患の代表である潰瘍性大腸炎とCrohn病の病態解明には,20世紀後半の分子生物学の飛躍的な進歩が多大な貢献をした.すなわち,一部では何らかの遺伝的素因を有する宿主が存在し,腸管内抗原などの環境因子に対して過剰·異常な免疫反応が惹起されて腸管の炎症が生じるものと理解される.しかし,潰瘍性大腸炎とCrohn病はその病態が全く異なり,それぞれの疾患における特異的な分子病態が明らかになった.対症的な抗炎症療法が内科的治療の基本であるが,難治性症例に対しては免疫統御療法や炎症性サイトカインを中心とした分子をターゲットにした分子標的療法が次々と開発され,その効果が注目されている.<br>

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