自己抗体と同種抗体を保有する患者への赤血球輸血：主要な同種抗原を適合させた赤血球の選択と輸血効果の検討

• 安田 広康

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 奥津 美穂

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 川畑 絹代

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 三浦 里織

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 馬場 千華子

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 小野 智

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 郡司 陽子

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 渡部 和也

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 小幡 悠子

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

• 菊池 良子

  白河厚生総合病院 検査科

• 大戸 斉

  福島県立医科大学附属病院 輸血・移植免疫部

書誌事項

タイトル別名

• RED BLOOD CELL (RBC) TRANSFUSION FOR PATIENTS HAVING ALLOANTIBODIES AND AUTOANTIBODIES: SELECTION OF APPROPRIATE DONOR BLOOD AND EFFICACY OF ALLOANTIGEN-MATCHED RBCS TRANSFUSION

抄録

自己抗体は, 不規則抗体検査においてすべてのパネル血球と反応し, しばしば臨床的に重要な同種抗体の存在を隠蔽する. 同種抗体を検出するため, ZZAPやPEG (polyethylene glycol) 吸着法を用いて患者血清中の自己抗体を除去した. また, 輸血効果と溶血性副作用の有無の評価には, それぞれ輸血前後のヘモグロビン上昇率 (%Hb) とLDH値の変動率を用いた.<br>自己抗体を保有した5名の非AIHA (autoimmune hemolytic anemia) 患者で, 自己抗体を吸着除去した上清中に抗Di^a, 抗E, 抗c+E, 抗c+E+Jk^b+Di^a, 抗C+eをそれぞれ検出した. これらの患者へは同種抗体に対する抗原陰性の赤血球を輸血した. 対応抗原陰性血を輸血した自己抗体保有群の%Hbは平均89%で, コントロール群 (平均84%) との差は無かった. また, 輸血後のLDH値にも有意な変動はなく, 両群間の比較でも差を認めなかった.<br>自己抗体を保有する患者においては, 同種抗体の検出には自己抗体吸着法が有用であった. また, 自己抗体と同種抗体をもつ非AIHA患者への輸血には, 主要な同種抗原を適合させた赤血球が効果的であった.

収録刊行物

• 日本輸血細胞治療学会誌

  日本輸血細胞治療学会誌 53 (6), 613-618, 2007

  一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会

キーワード

• 自己抗体
• 同種抗体
• 吸着試験

詳細情報

• CRID: 1390001205272841216
• NII論文ID: 130004542559
• NII論文ID: 10019989869
• NII書誌ID: AA12159645
• DOI: 10.3925/jjtc.53.613
• ISSN: 18830625
• ISSN: 18813011
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008090667
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可