内臓肥満,脂肪肝を有する2型糖尿病患者におけるピオグリタゾンの効果の検討

  • 山辺 瑞穂
    特定医療法人社団啓卯会村上記念病院内科
  • 宇賀 公宣
    広島大学大学院医歯薬総合研究科分子病態制御内科学
  • 山根 公則
    広島大学大学院医歯薬総合研究科分子内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Pioglitazone among Type 2 Diabetic Patients with Visceral Obesity and Fatty Liver Including a Case of Liver Biopsy
  • 内臓肥満,脂肪肝を有する2型糖尿病患者におけるピオグリタゾンの効果の検討--肝生検施行1例も含めて
  • ナイゾウ ヒマン,シボウカン オ ユウスル 2ガタ トウニョウビョウ カンジャ ニ オケル ピオグリタゾン ノ コウカ ノ ケントウ--カンセイケンシコウ 1レイ モ フクメテ
  • —肝生検施行1例も含めて—

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抄録

2型糖尿病患者におけるピオグリタゾンの投与による肝機能改善効果を検討した.腹部エコー上内臓肥満や脂肪肝を有する2型糖尿病患者31例にピオグリタゾンを投与し,ヘモグロビンA1c (HbA1c)は,投与前8.39±1.34%, 3カ月後7.21±1.27%, 6カ月後6.83±0.88% (p<0.001)と有意な低下を示した.GPT前38.7±30.1 IU/l, 3カ月後26.4±16.0 IU/l (p<0.01), 6カ月後30.2±21.5 IU/l, γ-GTP前60.8±57.4 IU/l, 3カ月後34.2±25.1 IU/l (p<0.01)と有意に改善した.経過中有意な体重増加は認めなかった.また,肝機能改善群で経過中body mass index (BMI)は有意に高値であった.さらに対象症例中1例(66歳,女性)にピオグリタゾン投与前後で肝生検を施行した.投与前では肝組織の目立った脂肪細胞の増加が投与後6カ月にはほとんど消失していたことから,非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD), NASH (nonalcoholic steatohepatitis)への有用性や治療薬としての可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 50 (11), 771-775, 2007

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (9)*注記

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