超高齢者にみられた早期胃癌穿孔の1例

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タイトル別名
  • Perforated Early Gastric Cancer in an 89-year-old Patient

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抄録

症例は89歳男性。2006年1月, 突然の心窩部痛が生じるも放置。2日後激痛となったため, 当院に救急搬送される。腹部所見は板状硬で, 腹部CTにてfree air, 上部消化管内視鏡にて胃角部小彎に約2cm径の出血を伴う潰瘍を認めたため, 胃潰瘍穿孔の診断にて同日腹腔鏡下にドレナージ術を施行した。全身状態も改善した17日後の内視鏡検査にて, 潰瘍周囲の生検より胃癌の診断に至ったため, 術後35日目に開腹下に幽門側胃切除術・BillrothI法再建術を施行した。病理標本ではII c + III型早期胃癌 (高分化型管状腺癌) を認め, 深達度はsm2であった。総合所見はT1, N0, H0, P0, CYX, M0, StageIA, 根治度Bであった。術後経過は良好で胃切除術後12日目に退院した。術後11ヵ月経過したが再発を認めていない。早期胃癌の穿孔は比較的まれであり, 当症例のごとく80歳以上の高齢者は極めてまれである。

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参考文献 (24)*注記

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