胃穿孔を伴う汎発性腹膜炎に併発した腸管嚢腫様気腫症の1例

  • 中沼 伸一
    金沢大学大学院医学系研究科がん局所制御学
  • 二宮 致
    金沢大学大学院医学系研究科がん局所制御学
  • 中川原 寿俊
    金沢大学大学院医学系研究科がん局所制御学
  • 藤村 隆
    金沢大学大学院医学系研究科がん局所制御学
  • 西村 元一
    金沢大学大学院医学系研究科がん局所制御学
  • 太田 哲生
    金沢大学大学院医学系研究科がん局所制御学

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF INTESTINAL CYSTIC EMPHYSEMA ASSOCIATED WITH GENERAL PERITONITIS DUE TO GASTRIC PERFORATION

この論文をさがす

抄録

症例は57歳, 男性. 上腹部中心の筋性防御を伴う圧痛を認め, 汎発性腹膜炎を疑われて紹介された. 腹部X線では遊離ガス像および腹部全体に腸管壁の嚢腫状気腫を認め, 腹部CTでは遊離ガス像, 腹水および, 腸管拡張像と腸管壁に沿った多発性嚢腫状気腫を認めた. 上部消化管内視鏡検査にて胃体部後壁に胃潰瘍を認めたが多量の残渣にて穿孔部位を確認出来なかった. 腸管嚢腫様気腫症を合併した汎発性腹膜炎と判断し手術を施行した. 胃底部前壁に穿孔部を認め, 混濁した腹水を認めた. 小腸のTreitz靱帯より150cmから430cmにわたり漿膜下に多数の気腫性変化を認めたが同部位に穿孔部は認めなかった. 胃穿孔部に大網充填術を行い, 小腸の気腫部は温存した. 術後経過は良好でCTにて多発性嚢腫状気腫の消失を確認した. 消化管穿孔を合併した腸管嚢腫様気腫症は比較的稀で本邦7例目, 胃穿孔併発症例は2例目であったため, 文献的考察を加えて報告する.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ