衛星データによる近年の東シベリアにおける植生変化のシグナル抽出

  • 酒井 秀孝
    千葉大学大学院 自然科学研究科 生命・地球科学専攻
  • 鈴木 力英
    海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 千葉大学環境リモートセンシング研究センター
  • 近藤 昭彦
    千葉大学環境リモートセンシング研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Recent Signal of Vegetation Change in Siberia Using Satellite Data
  • エイセイ データ ニ ヨル キンネン ノ ヒガシシベリア ニ オケル ショクセイ ヘンカ ノ シグナル チュウシュツ

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抄録

気象衛星NOAAの観測による全球植生指数データセットが1980年代から利用可能となっており,現在では20年以上のスケールで植生変化の解析が可能となっている.これまでに北方林地域における植生活動の活発化が指摘されているが,気候変動に対する植生の応答をさらに明らかにするためにはエコトーン(植生帯の遷移地帯)を重視すべきである.本研究では,エコトーンに対応する東シベリア地域を対象として,1982~2000年の19年間における植生指数のトレンドを年積算値と各年の年最大値の二つの指標を用いて求めた.その結果,従来から指摘されているように北方林分布域に年積算値の増加域が認められる一方で,北方林分布域の北側,すなわちツンドラと北方林のエコトーンにおいて年最大値の増加域が発見された.これは,その地域に分光反射特性の異なる植生が侵入したか,あるいはバイオマスの増加が起こった等の変化が生じたことを示唆しており,気候変動に伴う植生変化のシグナルである可能性が考えられる.

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