心臓手術後脳障害に対する脳指向型管理法

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  • Neuroprotective strategies during cardiac surgery involving cardiopulmonary bypass

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抄録

心臓手術後脳障害の発生率は高次脳機能障害を含めると10~70%と言われているが, 未だ確立した管理法はない。そこで, 脳指向型の周術期管理法について術前, 術中, 術後に分けて概説した。脳指向型の術前管理とは, 脳血管障害や頚動脈疾患などの検索を行うとともに, 術前検査所見などからさまざまな脳障害危険因子を予測し, 周術期の脳障害を回避する対策を立てることである。術中管理では, 脳梗塞などの一次性脳損傷を引き起こす原因の回避 (大動脈遮断や送血チューブ挿入部位の決定) と, 一次性脳損傷に伴って引き起こされる二次損傷の予防 (体外循環中の厳重な体温管理や適切な復温の速さと体温設定) を行う。術後は, 二次性脳損傷を軽減するための脳保護療法を中心とし, 術後に高体温にならない管理を行う。脳障害発生が強く示唆される場合には, 低体温に伴う合併症も考慮した上で脳低体温療法を導入すべきである。

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