下咽頭癌T1,T2例の治療とその問題点

  • 田中 信三
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 安里 亮
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 永田 靖
    京都大学大学院医学研究科放射線科
  • 平野 滋
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 田村 芳寛
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 伊藤 壽一
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 平岡 眞寛
    京都大学大学院医学研究科放射線科

書誌事項

タイトル別名
  • Modalities and problems in treatment of T1, T2 hypopharyngeal carcinoma

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抄録

2000年から06年までに京都大学病院で初治療を行ったT1,T2の下咽頭癌28例について予後と再発,合併症を調査した。放射線治療が13例に,喉頭保存手術が11例に,咽喉頭全摘頸部食道切除術が4例に行われた。原発巣再発が放射線治療の1例に生じた。永続的で顕著な喉頭浮腫が放射線治療の1例に,重篤な嚥下障害が放射線治療と喉頭保存手術のそれぞれ1例,計2例に合併した。3・5年疾患特異的生存率は96%,粗生存率は76%であった。原病死の1例は頸部リンパ節転移死,他病死の5例中3例は他癌死であった。下咽頭癌T1,T2の機能温存治療として,放射線治療と喉頭保存手術のいずれもが満足すべき結果を示した。問題点は放射線治療後の遅発性合併症と原発巣再発,進行病期例治療後の高度な嚥下障害,局所リンパ節転移と他癌の制御であった。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 33 (4), 476-478, 2007

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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