咬合高径の再構築を行った外科的矯正治療の一治験例

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タイトル別名
  • A Clinical Trial Case of Surgical Orthodontic with Occlusal Reconstruction
  • The Association between EMG Integrated Analysis Data and Occlusal Stability of after Surgery
  • EMG解析結果および顎変形症の術後安定について

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抄録

外科的矯正治療によって上下顎の不調和が改善されれば, 顎口腔系の機能が変化し, それらが咀嚼筋群に与える影響は大きいものと考えられる.そこで術後の咬合の安定を獲得するためには, 外科的矯正治療前後の筋機能の変化を解析・検討することが必要である.そしてこのように顎態に大きな変化を伴う治療においては, 治療前後の機能面における変化を正確に評価することも重要であると考えられる.本稿では, 臼歯部咬合の崩壊と顎変形症を併発した患者の治療において筋電図 (Electromyogram以下EMGとする) による咀嚼機能の評価と, その治療における応用を試みたので報告する.外科的矯正治療による筋機能の変化を検討するために, 表面双極電極を用いて咀嚼筋EMGの記録を行った.外科的矯正前後 (暫間総義歯装着もしくは非装着) と術後1か月, 3か月, 6か月, 8か月, 12か月について, 咬頭嵌合位での最大咬み締めを行わせた等尺性収縮の状態で左右の咬筋と側頭筋前腹および後腹部のEMGを導出し記録を行った. 1.咬合高径再構築の際, 左右の筋バランスを大きく崩さないように再構成を行った.その結果術前矯正中に特記するような臨床症状は無かった. 2.術前から術後にかけて, EMGフィードバックを施行した.その結果術後の左右筋バランスは大きく崩れることなく, 顎位の安定性は良好であった.これらから, EMG解析は外科的矯正治療の機能分析だけでなく, EMGバイオフィードバック療法などを用いた術後の顎位安定などに対しても, 有用な筋機能療法の一助になると考えられた.

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