2電子積分計算ルーチンの性能評価

  • 稲富 雄一
    産業技術総合研究所計算科学研究部門 科学技術振興機構構戦略的創造研究推進事業
  • 小原 繁
    北海道教育大学釧路校
  • 長嶋 雲兵
    産業技術総合研究所計算科学研究部門 科学技術振興機構構戦略的創造研究推進事業

書誌事項

タイトル別名
  • Performance Evaluation of the Calculation Programs of Electron Repulsion Integrals
  • 2 デンシ セキブン ケイサン ルーチン ノ セイノウ ヒョウカ

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抄録

本論文では、分子軌道計算で最も時間のかかる2電子反発積分の計算を新小原法[6, 7]とVertical Recurrence Relation (VRR)[5]とHorizontal Recurrence Relation (HRR)[8]のhybridアルゴリズムをもちいた2種類のプログラムで行い、Pentium4 (3.6GHz, EM64T, 1GB L2 cache) 上で浮動小数演算数や必要クロックサイクル数などのプロセッサイベントを計測することにより、その性能を評価した。<BR>新小原法プログラムの浮動小数点演算数は、hybrid法のそれに比べ20%ほど少ないが、性能はhybrid法プログラムの方が高かった。これは、新小原法プログラムのメモリアクセス回数がhybrid法プログラムに比べ3倍ほど多く、キャッシュミスは25倍も多いことに起因する。このように浮動小数演算数が少なくても、メモリアクセスが多くなることで、計算速度が大きく低下することが分かった。したがって、2電子積分を高速に行うためには、演算数だけでなく、中間積分などを保存、利用するためのメモリアクセス数を減少させる工夫が必要である。

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参考文献 (17)*注記

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