生活習慣と口腔保健状況ならびに全身の健康状況との関連性について

  • 尾崎 哲則
    日本大学歯学部医療人間科学教室 日本大学歯学部総合歯学研究所社会歯学研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between the Lifestyle, the Oral Condition, and the Healthy Status of the Whole Body
  • セイカツ シュウカン ト コウクウ ホケン ジョウキョウ ナラビニ ゼンシン ノ ケンコウ ジョウキョウ ト ノ カンレンセイ ニ ツイテ

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抄録

目的:近年,口腔疾患と生活習慣との関連性については,歯周疾患を中心に関心が高まり,「健康日本21」にも,歯の健康という項目が入ってきた.また,歯周疾患を中心に口腔疾患の状況と全身状態との関連に関心がもたれるようになってきた.そこで,生活習慣を改善する際のひとつの指標として口腔状況に重きをおき,他の2要因間との関連性について― 企業の健康管理データから検討した.方法:都内某企業の35歳以上60歳以下の男性従業員100名(平均年齢44.77±6.83歳)を対象に,労働安全衛生法に基づき企業で行った健康管理データと新たに追加して行った口腔診査および生活習慣に関するアンケートについての関連性を分析した.結果:甘味摂取を制限している者では,収縮期血圧,尿糖が低い傾向にあり,運動を定期的に行っている者は収縮期血圧が低い傾向にあった.年齢とともに歯周疾患と喪失歯数が増加し,喫煙行動により歯周疾患,喪失歯数の増加傾向がみられた.さらに,刷掃習慣が定着している者は歯周疾患および未処置う歯の低い傾向がみられた.また,未処置う歯を有する者にトリグリセリドが高い傾向がみられた.結論:これらの結果から,直接的な関連よりも,生活習慣としてのひとつのことと考えられ,全身の健康づくりに歯科から生活改善指導の支援の可能性が示唆された.

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参考文献 (25)*注記

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