酢酸およびプロピオン酸馴養種菌を用いた回分式メタン発酵の比較研究

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タイトル別名
  • Kinetic Difference between Acetate and Propionate Pregrown Reactors through Batch Methanogenesis Experiments

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抄録

酢酸で馴養した主に球状のMethanosarcina様メタン生成菌及びプロピオン酸で馴養した主に糸状のMethanothrix様メタン生成菌を用いてpH6.5-7.5、温度35℃の回分式メタン発酵実験を行った。初期の酢酸濃度あるいはプロピオン酸濃度の影響について検討したところ、酢酸濃度及びプロピオン酸濃度はそれぞれ3300mg/l以下と750mg/l以下の場合、酢酸馴養メタン菌は良い酢酸分解能力を示し、最大比基質消費速度(qmax)は1100-1900 mg/g-VSS/dであった。また、同様の発酵条件で両種の種菌の最大メタン生成速度とメタン収率はそれぞれ107-117ml/l-reactor/dと0.31-0.36l/g-CODの範囲であり、両種の馴養メタン菌の差が見られなかった。酢酸馴養メタン菌の平均酢酸分解率及び平均プロピオン酸分解率はそれぞれ66.7-307.2と3.8-86.0 mg/l-reactor/dの範囲であったことに対し、プロピオン馴養メタン菌の平均酢酸分解率及び平均プロピオン酸分解率はそれぞれ26.7-265.7と5.8-92.0 mg/l-reactor/dの範囲であった。つまりプロピオン酸馴養メタン菌はプロピオン酸からメタンへの変換効率が高いことが明らかとなった。さらに、平均プロピオン酸分解速度は初期のプロピオン酸/酢酸の比率(P/A:0-3.0)及び初期VFA負荷(165.7-436.1 mg COD/l-reactor/d)と逆比例の関係であることがわかった。

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