New stream of nanophotonics driven by optical near fields
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- 近接場光が拓くナノフォトニクスの新展開
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Abstract
<p>光の回折限界を打破する技術という枠を越えて,近接場光学に新しい流れが生まれ,その基礎が確立されようとしています.例えば,ナノ空間に局在する近接場光とナノ構造の織り成す物理,さらにはその応用研究に新しい流れの一端を見ることができます.そこでは,もちろん「光計測の空間分解能をサブミクロンからナノメートルへ」という量的な変革を目指しています.しかしそれだけではなく,「伝搬光では実現不可能な現象を利用してナノ光機能を実現し,新しいアーキテクチャーに基づくシステムを構築しよう」という質的な変革を目指す研究が進展しています.今回,量的な変革の最近の進展に加えて,質的な変革をめざす研究についてわかりやすく解説していただく小特集を企画いたしました.</p><p>1980年代,回折限界を超える分解能をもつ光学顕微鏡の実現のために,近接場光が注目されました.近接場光を用いた技術は1990年代に入り,さまざまな物質の物性(分光)評価技術・装置として急速に発展してきました.そのような研究開発状況は,例えば,2001年の小特集に解説されています.また,極微小領域の分光(顕微分光)とその応用分野の広がりは毎年何らかの形で本誌に取り上げられてきました.</p><p>一方,顕微分光にとどまらない,より広い量的・質的変革を目指した研究も展開されてきました.この出発点は発想の転換でした.近接場測定には何らかの物質系をプローブとして測定対象に近づける必要があります.これは測定される場をみだして初めて測定が可能になる,すなわち,ナノ領域に局在する光とナノ物質が互いに作用して変化することが近接場の本質であることを意味しています.この相互作用を積極的に活用して,ナノ構造の作製やナノ構造での量子性の発現,ナノ光機能の実現,さらにはナノフォトニックデバイス・システムの研究が実験理論両面から探究され,近年めざましい進展を遂げています.今回の小特集では,このようなナノフォトニクスと呼ばれる分野に焦点を当てています.記録密度がテラビット級の大容量記録装置,寸法100 nm 以下の光スイッチといった量的要請に加え,光通信システムの情報漏洩(ろうえい)に対する安全機密性といった質的な社会の要請にこたえていくためには,今後ますますこのような研究が重要になってくると考えられます.</p><p>「基礎的な物理現象を記述する理論は何か」,「ナノデバイス機能とシステムに要求される要件は何か」など,基礎から応用,システムまでを展望し,新しいナノフォトニクスの展開とその背後にある物理を理解していただければ幸いです.</p>
Journal
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- Oyo Buturi
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Oyo Buturi 77 (6), 630-630, 2008-06-10
The Japan Society of Applied Physics
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001277357246976
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- NII Article ID
- 10021109176
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- NII Book ID
- AN00026679
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- ISSN
- 21882290
- 03698009
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
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