HZSM-5触媒によるバイオエタノールからの炭化水素の合成

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タイトル別名
  • Conversion of Bio-ethanol into Hydrocarbons over HZSM-5 Catalyst
  • HZSM 5 ショクバイ ニ ヨル バイオエタノール カラノ タンカ スイソ ノ ゴウセイ

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抄録

実バイオマスから生成したバイオエタノール(エタノール:77.4%,水:19.6%,その他;残渣)を原料として,HZSM-5ゼオライト触媒を用いて転化反応を行い,C3およびC4の低級オレフィンおよび芳香族化合物の生成に関する特性を,純エタノールおよび含水エタノール(水:20%)からの転化反応と比較検討した.573–773 K,WHSV=26 h−1の条件では,バイオエタノールからの主生成物は,エタノールから脱水反応で容易に生成するエチレンあるいはジエチルエーテルであったが,623 K以上ではC3–C5の炭化水素およびC6以上の芳香族炭化水素も比較的多く生成された.低級オレフィンの生成量は反応温度につれて増加したが,バイオエタノールを反応物とした場合には,モデル反応物に比べて生成活性の発現温度がより高温側にシフトするとともに,やや大きい経時的失活が認められた.この原因として,バイオエタノール中のトレース量の不純物が触媒の酸性質を変化させた可能性が高い.バイオエタノールからの芳香族化合物の生成量は,純エタノールの場合より減少したが,バイオエタノールと同程度の水を含有するエタノール水溶液よりは多くなった.これは,高SV条件下での水の共存が芳香族生成抑制の効果を示すのに対して,バイオエタノールに含まれる不純物が触媒活性点を改質したため,含水エタノールよりも芳香族化合物の生成量が増加したと考えられる.

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