オゾン曝露が樹木からのBVOC発生量に及ぼす影響に関する研究 Research on the influence of ozone exposure on BVOC emissions from trees

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著者

    • 包 海 BAO Hai
    • 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻共生環境評価領域研究室 Graduate school of Engineering, Osaka University
    • 近藤 明 KONDO Akira
    • 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻共生環境評価領域研究室 Graduate school of Engineering, Osaka University
    • 加賀 昭和 [他] KAGA Akikazu
    • 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻共生環境評価領域研究室 Graduate school of Engineering, Osaka University
    • 井上 義雄 INOUE Yoshio
    • 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻共生環境評価領域研究室 Graduate school of Engineering, Osaka University
    • 多田 将晴 TADA Masaharu
    • 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻共生環境評価領域研究室 Graduate school of Engineering, Osaka University

抄録

 森林植生からの揮発性有機化合物(BVOC)の発生量がオゾン暴露に対する影響に関しては,まだ不明点が多い。グロースチャンバーを用い,日本の代表的な樹種である針葉樹のスギ(Cryptomeria japonica),ヒノキ(Chamaecypayis obtusa),アカマツ(Pinus densiflora)及び広葉樹のコナラ(Quercus serrata)の4種類の樹木を,2005年秋と2006年夏に,オゾン濃度200ppbと100ppbに曝露する実験を実施した。グロースチャンバー内気温は大阪の夏季の日変動気温に制御し,PARは午前7時から午後7時まで335μmolm<SUP>-2</SUP>s<SUP>-1</SUP>一定値にした。実験は樹種ごとに3日間連続で実施し,実験2日目に樹木にオゾンを曝露した。BVOCを午前7時から午後7時まで1時間ごとにサンプリングし,暴露前日,暴露日,暴露翌日の1日(測定時間12時間)ごとの総発生量を算出した。 針葉樹のスギ,ヒノキ,アカマツからはα-ピネン,β-ピネン,β-ミルセン,α-フェランドレン,α-テルピネン,リモネン,γ-テルピネン,テルピノレンの8種類のモノテルペン類とp-シメンを検出した。スギ,ヒノキ,アカマツにオゾンを暴露すると,実験2日目の暴露日のα-ピネン発生量は,実験1日目のそれの40~75%に減少したが,実験3日目には65~100%に回復した。スギ,ヒノキ,アカマツにオゾンを暴露すると,実験2日目の暴露日のβ-ピネン発生量は,実験1日目のそれの22~75%に減少したが,実験3日目には40~95%に回復した。広葉樹のコナラからはイソプレンが検出できた。コナラの200±5ppbオゾン暴露実験の場合,実験2日目の暴露日のイソプレン発生量は,実験1日目のそれの88~96%に減少したが,実験3日目にはほぼ実験1日目の発生量に回復した。100±5ppbのオゾン曝露実験の場合,オゾンを曝露しても発生量に影響はなかった。以上の結果より,針葉樹からのBVOC発生量はオゾン暴露に強く影響を受けるが,コナラからのイソプレン発生量は,200ppbのオゾン暴露の場合はわずかに減少したが,100ppbのオゾン曝露下での影響は見られなかった。

Three typical Japanese needle-leaved trees (Cryptomeria japonica, Chamaecyparis obtuse, and Pinus densiflora) and a broadleaf tree (Quercus serrata) were exposed to ozone concentrations of 200 ppb and 100 ppb in a growth chamber. During the 3-day experiment, the species were exposed to ozone on the second day and BVOC emissions were measured daily from 7 a.m. to 7 p.m. Due to ozone exposure, monoterpene emissions from needle-leaved trees decreased and this effect continued until the next day. α-pinene emission was strongly affected by the ozone concentration. β-pinene was also affected by the ozone concentration, but the dependency of ozone concentration was weaker than α -pinene. Isoprene emission from Quercus serrata was slightly decreased by 200 ppb ozone exposure, but was not significantly affected by 100 ppb ozone exposure.

収録刊行物

  • 環境科学会誌 = Environmental science  

    環境科学会誌 = Environmental science 21(1), 17-26, 2008-01-30 

    SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN

参考文献:  34件

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10021113075
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10165252
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    09150048
  • NDL 記事登録ID
    9369848
  • NDL 雑誌分類
    ZN5(科学技術--建設工学・建設業--都市工学・衛生工学)
  • NDL 請求記号
    Z16-1836
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  J-STAGE 
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