金属酸化物触媒を用いた PLA の燃焼抑制

  • 山下 武彦
    名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻
  • 水野 孝志郎
    名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻
  • 上野 智永
    名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻
  • 石川 朝之
    名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻
  • 武田 邦彦
    名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Flame Retardancy of Polylactic Acid Blended with Metal Oxides Catalysts
  • キンゾク サンカブツ ショクバイ オ モチイタ PLA ノ ネンショウ ヨクセイ

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抄録

ポリ乳酸(PLA; Polylactic acid)の燃焼抑制について,金属酸化物を添加した際の熱分解との関係から検討を行った.その結果,数種の金属酸化物を添加した試料において燃焼が抑制される結果が得られた.燃焼時に溶融して落ちたDripの分子量を解析したところ,燃焼したNeatのMw 10000程度に比してMw 20000程度と分子量は大きかった.この結果から,揮発ガス成分となるような低分子量の生成物を生成することなく,高分子鎖が切断されてMwが低下したため,燃えないで垂れるのみのPLAになったと考えられる.熱重量分析の結果がほとんど変化しないものが燃えないということが見られた.それに対して,激しく分解を促進することが知られている触媒を添加した場合は熱重量曲線が低温に移動し,燃焼が激しくなって炎が上方へ大きく成長した.このことから,触媒による燃焼抑制においては,1)重量減少温度をあまり激しく低下させることなく,2)高分子の主鎖のみを選択的に切断し低分子量の可燃性ガス成分を出さない触媒を添加すること,により燃焼抑制が期待できることが得られた.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 65 (4), 288-294, 2008

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (24)*注記

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