高温領域におけるNi触媒上でのメタン分解反応の機構

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  • Mechanisms of Methane Decomposition over Ni Catalysts at High Temperatures

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抄録

球状アルミナに担持したNi触媒を用いるメタン分解により水素と多層カーボンナノチューブを合成する反応を熱重量分析装置を用いて検討した。炭素生成初速度は680℃以下では反応温度の増加とともに増加した。熱力学的な観点からはメタン分解反応は高温ほど有利であると考えられるが,680℃以上の温度領域では炭素生成初速度が反応温度の増加とともに減少し,反応はみかけ上,負の活性化エネルギーを持っていた。メタンに関する反応次数は反応温度に関わらず約1.4であり,水素に関する反応次数は反応温度が700℃以下から720℃以上へ増加するに従い,−1/2から0へと変化した。Langmuir-Hinshelwood機構に基づいた反応速度式の検討から,700℃以下での律速段階は表面水素による阻害を受けたメタンの吸着であり,720℃以上ではニッケル粒子のバルク内への炭素種の溶解であると結論した。みかけの負の活性化エネルギーはニッケル粒子のバルク内への炭素種の溶解度が高温領域では温度とともに減少することによると考えられる。

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